研究会一覧
MEETINGS
第118回研究会
ゴミから地球を再生するプラズマ科学技術~廃棄物のガス化~
平成26年10月14日(火) 弘済会館
廃棄物処理に用いられる大気圧プラズマは,プロセスの迅速なスタートアップやシャットダウンが可能,ガスの使用量が少なく排ガスシステムへの負担が小さい,処理するときの雰囲気を自由に選択できることなどの利点があり,廃棄物のガス化プロセスにおける将来技術として期待されている。また,高温ガス化はすでに実用化されており,その技術と比べた時のプラズマプロセスの優位性が何か,解決すべき課題は何か,などを明確にすべく,今回の研究会は熱プラズマによるガス化,大気圧非平衡プラズマによるガス化の技術に関する議論を行う。さらにプラズマを用いない高温ガス化,メタン発酵などの講演も行い,プラズマプロセスが廃棄物化からのガス化プロセスにおける役割を明確にすることを目的とする。
プログラム | |
12:00 ~ 12:30 | ランチョン セッション 「凸版印刷におけるプラズマ研究」 凸版印刷では機能性フィルムの生産性を向上する手段の一つとしてロール・ツー・ ロール(R2R)製膜を利用しております。基材表面とプラズマの関連を検討して性能を向上させております。その一例を紹介します。 |
凸版印刷株式会社 宇山 晴夫 氏 | |
(委員総会) (第16回プラズマ材料科学賞授与式) (休憩) |
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◆プラズマ材料科学賞(基礎部門)受賞講演 | |
13:20~14:10 | 「熱プラズマプロセッシングの開発プラズマ解析に関する基礎分野の確立」 環境問題の解決のための先端基盤技術のひとつとして熱プラズマ技術が注目されており,材料合成の分野では熱プラズマによるナノ粒子合成システムの研究が産学で盛んに行われている。本稿では 1980 年代から現在の廃棄物処理や水素製造プロセスに関する研究動向を解説する。 |
九州大学大学院工学研究院 化学工学部門 渡辺 隆行 | |
◆研究会 | |
14:10~15:00 | 「プラズマによるガス化プロセスの展望」 化石燃料利用体系の省エネルギー,省資源,CO2排出抑制が求められている。現在 は,熱化学的手法を基盤としたエネルギー・物質変換が主要な役割を果たしているが,長期的なエネルギー資源利用体系のあり方を考えたとき,既成技術の延長線上にない革新的な反応プロセスの開発が不可欠である。このような背景から,我々は大気圧非平衡プラズマを利用して,天然ガスやバイオガスの主成分であるメタンを高効率に転換するための技術を開発している。本稿では,プラズマ-触媒ハイブリッド反応を用いた低温メタン水蒸気改質を紹介する。具体的な応用を例にプラズマ燃料改質の位置づけを明確にした後,プラズマと触媒のシナジー効果など,将来の革新的技術開発につながると期待される諸現象について論じる。最後にプラズマ燃料改質の展望を述べて本稿の括りとする。 |
東京工業大学大学院理工学研究科 機械物理工学専攻 野崎 智洋 | |
15:00~15:20 | 休憩 |
15:20~16:10 | 「ごみ焼却・溶融施設における技術面・制度面の課題と展望」 わが国は、世界的にみてもごみの焼却・溶融が盛んであるが、昨今のごみ焼却・溶融施設は、従来からの衛生問題・最終処分場問題対応から公害問題の解決に加え、地球温暖化対策までも担う技術を併せ持つことが要求されている。総論賛成・各論反対のNIMBY の代表的な施設であるものの、地域密着型発電施設として注目されており、さらには、防災拠点やエネルギー拠点としても位置づけられはじめた。 |
JFEエンジニアリング株式会社 都市環境本部 鈴木 康夫 | |
16:10~17:00 | 「高温ガス化技術とその応用」 高温ガス化技術である酸素を酸化剤とする部分酸化による合成ガス製造技術は、近年ほぼ完成の域に達している。本稿では、残渣油(アスファルト等)、石油コークス、石炭等を原料とする代表的な高温ガス化技術及びその実際の構成等について紹介する。 |
日揮株式会社 プロセス技術本部 渡辺 信太郎 | |
17:00~19:00 | 第16回プラズマ材料科学賞祝賀会 および 交流会 |